食品や衣類を食害する害虫
食品や衣類を食害する害虫の
「生態情報」「簡易的な対処法」「再発防止策」をご紹介
ガ類
イガ、コイガ
生態情報
これらの幼虫は、衣類や絨毯、毛皮などを食害します。自分で吐いた糸と加害している繊維で筒状の巣をつくり、そこに潜んでいます。成虫は衣類などを加害しません。
【イガ】
成虫は前翅長7~9mm前後で、翅は絹のような光沢のある黄土色地に黒い点が3つあります。7~10月に被害が大きくなります。
【コイガ】
成虫は前翅長5~7mm前後で、翅は絹のような光沢のある淡黄褐色で、黒い点はありません。
簡易的な対処法・再発防止
イガ、コイガ用の殺虫剤が市販されています。
衣類はクリーニングや洗濯をして汚れをしっかりと落とし、清潔にして収納します。衣類の収納場所はこまめに掃除をし、忌避剤を使用します。
ノシメマダラメイガ、チャマダラメイガ
生態情報
これらの幼虫は貯蔵食品をはじめ様々な食品を加害します。成虫は食品を加害しません。
【ノシメマダラメイガ】
終齢幼虫は体長10~12mm程度で、頭は茶褐色、胴体は薄黄白色または淡紅色、淡緑色です。成虫は体長7~8㎜で、翅の上半分が淡黄色、下半分が濃灰褐色で赤褐色の模様をもちます。幼虫は齧る力が強く、包装材を食い破って食品に侵入します。幼虫は齢が進むと活発に動き回り、大量の糸を吐きます。
【チャマダラメイガ】
終齢幼虫は体長6~10mm程度で、頭は黒褐色、胴体は淡黄褐色です。成虫は体長6~8mmです。
簡易的な対処法・再発防止
発生している食品を除去します。
貯蔵食品(米、パスタなど)の容器をこまめに洗って清潔にしたり、食品を冷蔵庫に保管したり、密封保管することで食害を防ぎます。
コウチュウ類
シバンムシ類、コクゾウムシ類、ヒラタムシ類、ホソヒラタムシ類、ゴミムシダマシ類
生態情報
赤茶色や茶色、黒褐色をした5mm以下の昆虫で、乾燥食品や米、小麦粉、ペットフードなどを食害します。
シバンムシ類
成虫は丸っこい形をしていて、食品だけでなく畳床からも発生します。大量発生している所ではシバンムシアリガタバチという寄生蜂も発生していることが多いです。幼虫は齧る力が強く、包装材を食い破って食品に侵入します。
コクゾウ類
成虫は頭の先(正確には口吻)がゾウの鼻のように伸びているのが特徴です。トウモロコシや米など穀物の1粒1粒の中に1つの卵が産み付けられ、幼虫は穀物内で成長します。スパゲティやパスタなどにも混入することがあります。
ヒラタムシ類【ノコギリヒラタムシ】
成虫は細長い形をしています。
ゴミムシダマシ類【コクヌストモドキ】
成虫はやや平べったくて細長い形をしています。食品だけでなく、新築の家に多数侵入することもあります。
簡易的な対処法・再発防止
発生している食品を廃棄します。
食品をタッパーやガラスなど密閉できる容器に保管したり、冷蔵できるものは冷蔵保管します。
チャタテムシ類
コナチャタテ類、コチャタテ類
生態情報
屋内では、体長1~2mm程度で褐色や黄白色、淡黄色をした、徘徊性のコナチャタテ類やコチャタテ類が最も多く目撃されます。貯蔵食品や真菌類(カビ)、昆虫類の死骸、紙紛、糊のついた障子紙や書籍などを餌にしていて、家の塵やホコリの中から高頻度で見つかります。梅雨時から秋にかけてよく見られます。
簡易的な対処法・再発防止
発生している食品などを廃棄します。畳やカーペットなどは天日干しをします。
掃除機で部屋をこまめに掃除し、湿気がこもらないように換気をします。
シミ類
生態情報
成虫の体長が9mm程度の、翅を持たない平べったい昆虫です。触角は長く、お尻に3本の尾を持ち、全身が鱗で覆われていて、種類によって銀白色、暗灰色、灰白色と黒褐色のまだら模様などをしています。押し入れの中、畳の下、食器棚の中や裏など、暗くて湿度が高い場所を好みます。古くなった本や壁紙の糊、衣類、乾燥食品、紙などの表面を齧りますが、齧られた痕よりも糞で汚染される被害が目立ちます。
簡易的な対処法・再発防止
衣類害虫用殺虫剤で駆除します。
衣類や食品の保管場所を清潔に保ち、衣類害虫用の忌避剤を使用します。
ダニ類
生態情報
【ケナガコナダニ】
体長は約0.5mmで半透明の乳白色をしているため、肉眼では見つけるのは難しいです。貯蔵食品や加工食品、乾燥食品のほか、畳からも発見されます。
簡易的な対処法・再発防止
見つけるのは難しいですが、もし見つけたら発生している食品等を廃棄します。
こまめに掃除をし、湿気がこもらないよう換気をします。食品はタッパーやガラスなど密閉できる容器に保管したり、冷蔵できるものは冷蔵保管します。